意外と労力を使う立ち上がる際の動き。どうすれば楽に動けるか?
床に座っている状態から、または椅子から立ち上がる時などに少ししんどさを感じることがあったり、フラついたりしたご経験はないでしょうか?
日常生活では当たり前のようにやっていることかもしれませんが、自身の身体を持ち上げるわけですから、若い方でも意外と労力を使ってしまったり、年配の方では自分の身体を支えることが出来ずにフラついてしまうケースもあるかと思います。
そんな当たり前にしてきた生活のでの動きをもっと楽に過ごせるためには、自身の身体をいつまでも扱える身体作りが必要となります。
今回は、立ち上がる際などに特に必要となる筋肉の解説であったり、その筋肉を鍛えていくための方法などについて書かせていただきます。
立ち上がる際にフラついたりしてしまう原因とは?
まず1つ目に挙げられるのは、「姿勢が悪い」
高齢者は筋力の低下や脊髄(脳から連続する中枢神経で、人体の中心部では背骨の中の空間)の変形により、背中が丸くなってしまいます。
そのため、身体を支える土台でも下半身に上手く力を入れることが出来ないため、フラつきに繋がってしまいます。
2つ目は、「筋力の低下」
何十キロもある身体を支えるためにはただ姿勢を維持するにしても筋力が必要となります。
立ち上がる際に身体を安定させるためにはもっと様々な筋力が必要となります。
特に高齢者の方の場合は、全身の筋肉が弱くなりやすいため、立ち上がる際のフラつくことに繋がってしまいます。
3つ目は、関節の曲げ伸ばしの機能の低下
椅子から立ち上がる際には主に、「股関節」「膝関節」「足関節」の曲げ伸ばしが大切になります。
これらの関節の可動域が1つでも狭くなってしまうと、その関節の働きを保管するために他の関節がさらに可動域を広げて働くため、負担や安定感がより損なわれてしまうのです。
そのため、関節の曲げ伸ばしが不十分であるとその際のフラつきや転倒に繋がります。
サルコペニアについて
「サルコペニア」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
サルコペニアとは、
加齢によって筋肉量の減少および筋力の低下のことを言い、歩く、立ち上がるなどの日常生活の基本的な動作に影響が出てしまい、転倒しやすくなったり、場合によっては介護が必要となることもあります。
65歳以上の高齢者の15%程度の方がサルコペニアに該当すると言われています。
加齢に伴って、増加していき、女性よりも男性に多くみられることが特徴的です。
サルコペニアの原因としては、
40歳を境に徐々に筋肉量が減少していき、タンパク質の摂取不足、運動量の減少によって、作られる筋肉よりも分解される筋肉の方が多くなることが原因としてあります。
改善する方法はあるのか?
サルコペニアの予防、または改善していくためには筋肉量の増加を目的として年齢、体力やその方の体調に応じた運動やトレーニングを行うことが重要となります。
また、過度の飲酒は筋肉が作られるのを妨げるミオスタチン(筋肉細胞の増加や成長を止めるブレーキの役割を持つ)と呼ばれる物質を増加させてしまうことにもなりますので、飲酒を控えることも重要になります。
立ち上がる際に必要な筋肉
立ち上がる際、特に必要となる筋肉が「太ももの筋肉(ハムストリングス)」です。
この筋肉が弱いと、立ち上がるのにひと苦労したり、高齢の方などは寝たきりや要介護になる危険性が大幅に高くなってしまうので、健康状態を考えるうえで最も重要な筋肉になります。
太ももの筋肉を鍛えるには「スクワット」が有効になります。
1.足を肩幅くらいに開く
2.膝がなるべく前に出ないように腰を落としていく
3.太ももと床が平行になるまで、お尻を下げる
4.下げた位置から足の筋肉を使って、元の位置まで戻る
スクワットと合わせて重要になるのが、「腹筋」です。
腹筋が弱くなると、寝ている状態から身体を起こすことが出来ず、寝たきりの状態になりかねません。
腹筋を鍛えることで、正しい姿勢を維持出来る効果も見込めるため、長く元気な身体でいるためには太ももの筋肉と同様、必要になります。
次に「背筋」です。
背筋の筋肉が弱くなり、肩・腰に大きな負荷がかかってしまい、立ち上がる際にひと苦労してしまいます。
それどころか、自力で起き上がれなくなってしまうこともありますので、背筋も鍛えることが必要となります。
また、背筋を鍛えることで、肩こりや腰痛などの予防も行うことが出来ますので、姿勢を維持するため、腰への負担を減らすためにも腹筋と背筋はバランス良く鍛えてあげることが必要になります。
筋肉を付ける、筋肉を守るためにはトレーニングだけじゃない!
これまで、立ち上がる際に必要な筋肉やその鍛え方などについて書いてきましたが、筋肉をより効率的に増やしていくためには、運動と共に【栄養】が重要になってきます。
筋肉は「タンパク質」で出来ており、合成と分解を常に繰り返しています。
食事でタンパク質をしっかりと摂取し、合成を活発にすることが大切になります。
食生活の中でタンパク質を意識して食事をすることは大切というのは理解していただけたかと思います。
では、何を食べてタンパク質を摂取すれば良いのか?
大雑把に言えば、「肉類、魚類、卵」などが出てくるかと思いますが、その中でも特におすすめの食材を紹介していければと思います。
肉類
・鶏むね肉
・ささみ
・豚もも
・牛もも
・生ハム
魚類
・マグロ
・しらす
・さけ
・さば
・たら
などが挙げられます。
タンパク質には2種類あり、
「動物性タンパク質」「植物性タンパク質」とあります。
動物性タンパク質というのが上記で挙げた食材などのことで、植物性タンパク質は「大豆」「野菜」「きのこ類」などに含まれるタンパク質のことを言います。
タンパク質を多く摂るためには動物性タンパク質を中心に食卓に並べるのを意識してみてください。
まとめ
今回は「立ち上がる際に必要な筋肉、その動きを楽にするためのこと」について書かせていただきました。
どうしても、年齢を重ねることで、筋力の低下というのは起こっていきます。
立ち上がるだけではなく、歩行動作、お仕事中、家事を行っている最中、当たり前の動きは筋肉があってこそ可能となっています。
自分の身体が思うように動かなくなる前に改善することが必要となります。
生活の中に運動を習慣を取り入れ、長く元気な身体作りを本日から行なっていきましょう!