整体院や整骨院は保険適用できるの？注意点と合わせて解説！

整骨院や接骨院のホームページを見ると「各種保険取扱い」と書かれていることがあります。「肩こりがひどくて整体に通っているけど、整体は保険って使えないの？」と思う方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、整体院や整骨院で受ける施術に健康保険の適用はあるのか、対象となるものとならないものの違いは何か、また保険適用される治療を受ける際の注意点などについて解説します。

保険が適用される施設・されない施設

日本は国民皆保険の制度があり、何らかの健康保険に加入しているため病院に行くと保険診療が受けられます。病院以外でも整骨院や鍼灸などの施設では一部保険診療が受けられます。

保険診療が受けられる施設

病院以外で保険診療が受けられる施設には、整骨院や接骨院、鍼灸院があります。これらの施設は柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師といった国家資格を持った人しか開業できないものです。ただしすべての施術が保険対象になるわけではなく、条件があります。

保険診療が受けられない施設

一方、整体院は整骨院や接骨院と同等にとらえられることもありますが、保険適用の施術は受けられません。これは、整体院は、あくまで治療の一環ではなくリラクゼーションや日ごろの疲れを取ることを目的に作られていること、整体師になるのも整体院の開業にも国家資格が必要ないためです。

保険が適用される施術・されない施術

整骨院や接骨院、鍼灸院で行われるすべての施術が保険適用可能というわけではありません。適用されるものには次のようなものがあります。

保険適用される施術

整骨院や接骨院で保険適用が可能なのは挫傷（肉離れ）、打撲、ねんざ、骨折、脱臼、ぎっくり腰（緊急を伴う症状の場合）といった症状の改善のために行われる施術で、ケガに該当する急性のものが対象となっています。このうち、骨折と脱臼については応急処置を除き医師の同意が必要です。挫傷、ねんざ、打撲については医師の同意は不要となっていますが、施術が3か月以上にわたる場合は理由を書面で提出しなければならなくなり、医療機関を受診して別の疾患がないかを調べる必要があります。鍼灸院で保険適用が可能なのは神経痛やリウマチ、五十肩、医療上マッサージを必要とする場合などです。

保険適用されない施術

基本的に慢性的な症状には健康保険の適用はできません。慢性的な肩こり、腰痛、その他年齢からくる痛みや疲労、日常的な疲労があるなどの理由から受けるマッサージ、過去の事故などが原因の場合は、全て自己負担となります。また、病院の治療を受けながら同じ症状で整骨院や接骨院での治療を受ける場合（重複受診）なども、全額自己負担となります。

整骨院・接骨院での保険適用の流れ

整骨院・接骨院での治療に保険適用を受けるには、病院などの医療機関を受診する際と異なる点があります。保険証を提示するのは同じですが、「療養費支給申請書」という書類に署名し、提出が必要です。その後、自分が加入する健康保険組合から「施術内容等の確認連絡」が届き、対応すると健康保険組合から柔道整復師に療養費の支払いが行われるという仕組みになっています。

保険適用を受ける際の注意点

整骨院・接骨院で保険診療を受ける際、チェックしておきたい点について解説します。ミスによって全額自己負担になってしまわないよう注意しましょう。

重複受診やはしご受診をしない

「重複受診」とは同じケガで医師の同意なしに病院などの医療機関と整骨院・接骨院の治療を同時に受けることを指します。また、「はしご受診」とは応急処置を除いて、同じケガで同じ月内に2か所以上で治療を受けることを指します。医師による治療を受けていると、整骨院・接骨院での治療には健康保険は適用されません。病院に行ってもなかなか良くならない場合してしまいがちな行為ですが、気をつけましょう。

症状を正確に伝える

健康保険の適用を受けるためには、症状や原因、どのくらい前から症状があるのかなどを詳しく正確に柔道整復師に伝えなければなりません。とくに骨折や脱臼の場合は応急処置を除いて医師の同意が必要であるため、整骨院で治療する際いつ発症したのかを伝える必要があります。

領収証を必ずもらっておく

整骨院・接骨院で保険適用の治療を受けたら、必ず領収証をもらい大切に保管しましょう。領収証は医療費負担がいくらなのかを確認し、のちに医療費控除を受ける場合必要です。

まとめ