2024年07月28日

慢性的な腰痛について

腰に痛みを感じてから3カ月あるいは6カ月以上経過しているものを「慢性腰痛」と呼びます。慢性腰痛は、原因や状態は様々で、小さいお子さんから、ご高齢の方まで幅広い方に見られます。

「腰痛」は病気の名前ではなく腰が痛いという症状であり、原因が見つかっていないだけで診断できる病気が隠れている場合があります。

腰はさまざまな動作で使っているため、負担がかかりやすいです。
また、近年デスクワークが増えていることにより多くの方が腰痛に悩んでいます。

腰痛は慢性化しやすい傾向にあるため、痛みを我慢してしまったまま放置してしまうと悪化して改善が遅れてしまうこともあります。
腰痛は神経などの病気が原因の「特異的腰痛」と、日常生活などで引き起こされた「非特異的腰痛」にわけられます。

腰痛の主な原因と症状

腰痛にお悩みの方は高齢者に多いイメージかもしれませんが、実際は中年の方が多くみられます。
なぜ中年の方に多くみられるのでしょうか。
また、腰痛にもいくつかの症状があります。
原因と症状を知り、自分がどれに当てはまるか確認してみてください。

腰は「腰椎」「仙骨」「腸骨」「恥骨」「座骨」の5つの骨で構成されており、人間は立っているだけで自分の体重の1.5倍~2倍ほどの重さが腰にかかります。
そのため、腰には大きく負担がかかっています。

●役割

上半身を支え、衝撃を吸収する役割があります。
腰はちょうど身体の中心にありさまざまな動作に関係していますが、特に「ひねる」「反る」「ねじる」などの動作に関係します。

また、腰の近くには脊髄に通る末梢神経の束や消化器官、泌尿器などの臓器があります。
末梢神経は腰椎、内臓は骨盤によって外的な衝撃から保護しています。

腰痛にお悩みの方の多くは神経症状がみられず、画像検査をしても原因がわからない「非特異的腰痛」だといわれています。

・インナーマッスルの低下

骨盤のゆがみやアウターマッスルがインナーマッスルの代わりをすることになるため、緊張や炎症が起こり痛みに繋がるのではないかと考えられています。

インナーマッスルが低下する要因として、主に次のような日常生活の習慣が挙げられます。

・デスクワークなどで座っている時間が長い

・運動不足

・不良姿勢

猫背や反り腰などの不良姿勢により筋肉のバランスが崩れてしまいます。
そうすると神経が圧迫され、腰に負担がかかり痛みが生じる場合があります。

・中腰で重労働

中腰でいることが腰に負担がかかり、さらに重労働を行うことで負担が増し筋肉が緊張すると考えられます。

・ストレス

人間はストレスを感じると、体内の働きをコントロールする自律神経のうち交感神経が優位になります。
交感神経が優位になると身体が緊張状態になってしまうため、腰痛に繋がります。

【病気が原因の場合】

●ぎっくり腰

ぎっくり腰は「腰の捻挫」とも言われており、突然腰に激痛が走ることが多い症状です。
重いものを持ち上げたり、急に腰をひねったりする動作などで腰回りの筋肉が捻挫や炎症を起こすことが原因で発症します。

 

●腰椎椎間板ヘルニア

背骨にはクッションの役割をしている椎間板というものがあり、本来は椎間板の内部にある髄核が何らかの原因で外に飛び出すことで神経が圧迫されて腰痛を発症します。
重い物を持つなどで腰に負担をかけた時や、腰に負担のかかるスポーツや職業の方に起こりやすい傾向があります。

 

●腰椎椎間関節症

腰椎椎間関節症では、腰を反らす動作や捻る動作で痛みを感じます。
椎間関節が急な捻りや負荷によって炎症を起こすことや、加齢などが原因で発症します。

 

●腰部脊柱管狭窄症

脊柱管が狭くなることで神経を圧迫し発症する症状です。
高齢になると発症しやすくなり、腰痛だけではなく足のしびれなどの症状も現れます。

 

●脊柱分離症/すべり症

背骨の椎体と椎弓が疲労骨折によって分離してしまった状態です。
骨の成長途中である子どもに起こりやすく、大人の場合は運動や長時間同じ姿勢でいることが原因で起きることが多いです。

腰痛の予防法

●寝具の見直し

寝具が自分の身体に合わず、寝返りが上手くうてないと血流が悪くなり筋肉の緊張に繋がります。
柔らかすぎないマットレスや高さの合った枕に変更し、腰痛の予防が期待できます。

●座り方の見直し

対処法にもあったように、座り方を見直してみてください。
特にデスクワークの方は猫背の姿勢になりやすい傾向がみられるため、気を付けて姿勢を良くしましょう。
ディスプレイやイスの高さの調節をしてみることもおすすめです。

●筋トレ

腹筋や背筋を鍛えられる筋トレを行いましょう。
腰の動きをサポートでき正しい姿勢を保ちやすくなります。

●動作に気を付ける

腰をひねる、かがむなどの動作は上半身の重さを腰が支えるため、大きく負担がかかることが考えられます。
そのため振り返る際は腰からではなく身体ごと振り返る、かがむ際は膝をついてかがむようにすると腰への負担の軽減が期待できます。

●身体を温める

湯船に浸かった入浴、軽い運動、厚着をするなど全身を温めるよう心がけましょう。
血行が促進され筋肉を柔らかく保つことで、腰痛の予防に繋がります。

40℃前後のぬるめのお湯にゆっくりと入浴することでストレスの緩和も期待できます。

筋トレは、なぜ腰痛の緩和に有効なのか?

筋トレをして体幹を鍛えるとなぜ腰痛が緩和されるのでしょうか。それは体幹の筋肉が姿勢の改善と腰椎の支持に役立っているためです。体幹には大きく分けてアウターマッスルとインナーマッスルと呼ばれる2種類の筋肉があります。

アウターマッスルには一般的に腹筋と呼ばれている腹直筋や内・外腹斜筋があり、大きな力により体幹の運動や固定に強く働きます。

一方、インナーマッスルには腰椎の近くに腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群と呼ばれる筋肉があります。これらの筋肉は、腰椎の連結を強化して正しい位置に保つとともに、腰椎を安定させます。

以上のように2種類の筋肉の働きにより姿勢が改善されるとともに、腰椎を支えて安定させるのです。結果として、腰椎や腰の筋肉にかかる負担を軽減でき、腰痛の緩和に有効と言えます。

今回はインナーマッスルを鍛える運動を紹介します。

代表的な運動の1つドローインです。

①仰向けになり、膝を曲げる

②大きく息を吸い、お腹を膨らませる

③息を吐くのに合わせてできるだけお腹を凹ませる

④凹ませた状態のまま、深呼吸を繰り返す

腹圧を意識的に高めるドローインをすることで、コルセットのように体幹を覆っている腹横筋などのインナーマッスルが鍛えられ、腰への負担を軽くして、腰痛の軽減につながることが期待できます。

ライン公式アカウンはこちら

まとめ

今回は「慢性的な腰痛について」書かせていただきました。

よく耳にする腰痛ですが様々な要因・原因があります。

気づかないうちに症状が悪化してしまうなどいつ起こるか予測ができません。

少しの意識で変わることもあると思います!

#腰痛

#健康