2024年09月12日

筋肉はなぜ老化してしまうのか?

年齢を重ねていくとともに、「昔は出来ていたことが出来なくなってきた」「体力の衰えや動きの鈍さが目立ってきている」ということが必ずあるかと思います。

そこには、
・若い時に比べて、動く量が急激に減少した
・健康面に対しての意識が薄くなってきた
など様々な理由があると思います。

そこで、今回は筋肉が老化していく仕組みやそれを予防していく対策などについて書かせていただきます。

筋肉はどのように老化していく仕組みなのか?

筋肉には、「筋繊維」という繊維状の細胞が集まって構成されています。
筋繊維の束は筋束(きんそく)と呼ばれており、全体は筋外膜というもので覆われています。
筋肉の量が増える原理としては、この筋繊維の1本1本が太くなることで、筋肉が減るのはこの筋繊維が細くなることを意味します。

基本的に筋肉は新しい筋肉の合成と古くなった筋繊維の分解を常に繰り返しているのですが、年齢を重ねていくごとに筋肉を合成する力が弱くなり、分解の方ばかり進んでしまいます。

筋肉の合成が減少する理由には、
・身体活動量や中枢神経の神経繊維の減少
・筋肉の合成を促すホルモンの減少
・栄養摂取量の減少(特にタンパク質)
などが挙げられます。

年齢を重ねていくごとに運動をする機会は減っていく方の方が多いと思います。

筋肉は、運動することによって、刺激され、合成(筋繊維が太くなる)されていきます。
また、中枢神経(脳と脊髄のことで、全身から集まる情報を処理して、指令を出す)の中にある神経の繊維も減少してしまいます。

筋肉の合成を促してくれるホルモンとしては、

【アナボリックホルモン】と言われ、テストステロンや成長ホルモンなどの総称がそう言われています。

加齢と共に自然と減少していってしまうため、筋分解の割合が多くなってしまいます。

栄養摂取量が減少してしまう原因としては、

まず、活動量が減ることで空腹を感じにくい、歯の衰え、咀嚼力や飲み込む力が低下してしまうことが考えられます。
そもそも栄養自体が不足してしまうと、活動するためのエネルギーも不足するため、そうなると人は筋肉からエネルギーとして分解をしていきます。
加齢だけではなく、普段の食生活の中で食材への意識や摂取量に対しての意識も強く持つようにしましょう。

老化は脚から始まってしまう!?

ここまで筋肉が減っていく仕組みについての説明をさせていただきましたが、全身の筋肉が均等に減っていくわけではありません。
筋肉は20歳をピークに減り始めていき、80歳を迎えるまでに約40%が減少すると言われています。
そこで特に落ちやすい筋肉として挙げられるのが、「脚」の筋肉です。
脚の筋肉は、全身に筋肉があるうちの約6割もの量が集まっています。
半分以上もの筋肉が集中している中で、筋肉が減少していってしまうと、活動量が極端に落ちていきます。

上半身を支える土台として重要な下半身ですが、今までよりも老化を実感してしまう場面としては、「前よりもふらつきやすい」であったり、「転倒してしまう」という機会が多くなってしまいます。

また、「脚の筋肉を鍛えていく」「維持していくということ」は基礎代謝(生命を維持するために必要なエネルギー量)の向上にも繋がっていきます。

基礎代謝が高ければ高いほど、痩せやすい、太りにくいというメリットがあり、これは生活習慣病の予防などにも関係してくるため、脚の筋肉はこれからの健康面のためであったり、ダイエットやボディメイクを目指している方にも鍛えていくことが必要な部位になるので、運動やトレーニングを行う際には下半身の筋肉を動かしてあげることを意識しましょう!

高齢の方を悩ませるサルコペニアについて

ここまで、加齢による筋力の低下が原因として1番多いというお話をしてきました。
65歳以上の方の15%の方は「サルコペニア」というモノに該当すると言われています。
このサルコペニアは、
加齢による筋肉量の減少、筋力の低下のことで、歩いたり、立ち上がるなどの日常生活の基本的な動作によって影響が出てしまい、転倒しやすくなったり、場合によっては介護が必要になることもあります。

特に女性よりも男性に多くみられることが特徴的です。

このサルコペニアの原因としては、筋肉が老化していく仕組みについて書かせていただいたように、
加齢に伴って、筋肉量が減少していく。
特に40歳を境に筋肉量は急激に減少していき、タンパク質の摂取不足、運動量の減少、作られる筋肉よりも分解される筋肉の方が多くなることが原因となります。

サルコペニアの診断基準には次のような項目があります。

・握力:男性は28kg未満、女性は18kg未満

・歩行速度:1秒あたり1m未満

・筋肉量:ふくらはぎの最も太い部分が男性は34cm未満、女性は33cm未満

の方はサルコペニアの可能性が高いと言えます。
これらに該当する方は生活を見直し、食事、運動の習慣を付けていきましょう!

運動の中でも筋トレが1番!?

今では健康のためと身体を動かされる方が多くなってきています。
どの運動を行っても筋肉というのは刺激されますが、1番負荷を多く扱えて、発達していくのは「筋トレ」になります。
筋肉を鍛えるためには、日常生活で体験しているよりも高い負荷で筋トレを行うことが必要になります。

ここまでに20代をピークに筋肉は減少していくとお話しましたが、年齢を重ねれば重ねる程、筋肉を増やすのも維持するのも難しくなっていきます。

なるべく早い段階から筋トレで筋肉量を増やし、落としていかなようにしていくことが今後の身体の衰えや幸福度に変化をもたらしていってくれるはずです。

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まとめ

今回は「筋肉の老化」について書かせていただきました。

年齢には逆らえない面もあるかもしれませんが、防いでいくことは可能だと思います。
身体を動かすこと、必要な栄養素、どのようにして筋肉が減っていくのかというのを少しでも多くの方に理解していただき、実行していただければと思います。

いつまでも元気な身体を作りを目指し、毎日コツコツ頑張っていきましょう!