2023年07月28日

目の奥の痛み(眼精疲労)による頭痛・肩こりとの関係性とは

目の奥の痛み(眼精疲労)による頭痛・肩こりとの関係性とは

慢性的な不調は「眼精疲労」が原因かもしれません
近年、スマホやパソコンの普及により眼精疲労の症状にお悩みの方が増えています。
「目元が重たくて視界がかすむ」「目が乾いて涙がよく出る」「頭痛やめまい、肩こりがひどい」
このように、眼精疲労による不調は目だけでなく身体にも支障をきたす場合があります。
また眼精疲労を放っておくとどのような症状が心身に起こることがあるのでしょうか?
今回は、眼精疲労の原因や症状、対策法・予防法についてご紹介します。
疲れ目眼精疲労は違うって本当?!
近年発症する方が増えている眼精疲労ですが、この症状を引き起こす原因は一体どんなものがあるのでしょうか。
まずは目の仕組みについて知り、眼精疲労のメカニズムや考えられる原因について見ていきましょう。

原因

 

【疲れ目と眼精疲労の違い】

「疲れ目」は一時的な目の疲れのことを指します。
疲れ目の主な原因として、目の周りの筋肉がこり固まっていることが挙げられます。
そのため、まぶたを温めるなどして目の周りの筋肉を休息させることで自然に解消が見込めます。
しかし「眼精疲労」は、目の乾きや痛み、頭痛に肩こり、そして吐き気といった身体の不調を引き起こすことがあります。
そして、十分な睡眠や休息をとっていても継続的に繰り返されることがあります。
 

【眼精疲労が起こるメカニズム】

目が物を見る仕組み
外からの情報は、まず眼球の表面にある角膜から取り込まれます。
そして、その内側にある水晶体を支える毛様体筋を伸び縮みさせてピントを調整し、眼球の奥にある網膜へと情報を映し出します。
映し出された情報は視神経を通って脳へと伝達され、はじめて物が見えるようになります。
 
眼精疲労のメカニズム
ピントを調整している毛様体筋は自律神経と深く関わっています。
目を酷使し続けると、毛様体筋の疲労が蓄積されます。
そうすると自律神経の乱れへとつながり、眼精疲労の症状があらわれると考えられています。

【眼精疲労の原因】

長時間のスマホ・パソコン操作
長い時間スマホやパソコンの画面を見続けると、照明のちらつきや画面に映り込むさまざまな光が目に刺激を与え、やがて眼精疲労へとつながるケースがあります。
 
目の筋肉疲労
目のかすみを放置しながら作業を続けることで目の筋肉に過度な疲労が蓄積します。
その結果、眼精疲労へとつながる可能性が高くなります。
 
ドライアイ
日頃から目を酷使する方やコンタクトレンズを使用する方は目の表面が乾く「ドライアイ」になりやすい傾向があります。
ドライアイを放っておくとやがて症状が進行し、眼精疲労を招く場合があります。
部屋の乾燥や、エアコンの風もドライアイの原因となります。
【眼精疲労によって起こる症状】
眼精疲労が起こると、身体にはどのような症状があらわれるのでしょうか?

代表的な症状

目の奥の痛み
眼精疲労の代表的な症状に、目の奥の痛みがあります。
また、眼窩上神経痛(がんかじょうしんけい)といって、目の上にある骨のへこみ部分が痛むケースもあります。
 
頭痛や吐き気
眼精疲労に伴う自律神経の乱れにより頭痛やめまい、吐き気、さらには不眠や不安感、イライラといった自律神経失調症に似た症状が現れる場合があります。
 
目のかすみ
眼精疲労の原因となるドライアイにより目の表面が乾くことで、かすみ目や視力低下が生じることがあります。
 

【眼精疲労の原因となるVDT症候群】

眼精疲労が近年増加傾向にある原因の1つに「VDT症候群」が挙げられます。
このVDT症候群とは一体何なのか、眼精疲労とどういった関係があるか、こちらで詳しくご紹介していきます。
 

VDT症候群とは】

VDT症候群(Visual Display Terminals)とは、パソコンやスマホなどのディスプレイを長時間見続けることにより、心身にさまざまな症状があらわれることを言います。
 
●VDT症候群が増加する理由
VDT症候群は、別名IT眼症(がんしょう)とも呼ばれています。
近年のスマホやパソコンの普及による高度情報化社会の発展に伴い、目を酷使する機会が増えた結果、眼精疲労にお悩みの方が増えていると考えられています。

VDT症候群の症状】

目の症状
ディスプレイを凝視すると瞬きの回数が減り、目の表面が乾いてドライアイやかすみが生じやすくなります。
また、ディスプレイからの光反射が目に刺激を与え、目の痛みや疲労感があらわれる場合があります。
 身体の症状
スマホやパソコンの長時間作業により生じる血行不良や、眼精疲労による自律神経の乱れなどから、首や肩こりが起こる場合もあります。
 精神的な症状
目や身体の不調をそのまま放置していると精神的ストレスが蓄積され、自律神経のバランスが崩れて不眠や食欲不振、不安感、イライラなど精神的な症状があらわれる可能性があります。

眼精疲労のつらい症状を自分で対処法・予防法

【眼精疲労の対処法】

温めて血流を促進
ホットタオルやアイマスクなどで目元を温めると血流が促され、症状の緩和が期待できます。
その他に、湯船に浸かって首や肩周辺をマッサージすることもおすすめです。
そうすることで、筋肉の緊張が和らぎ、眼精疲労に伴う首・肩こりの軽減も目指せます。
目の運動
眼球を動かして目の筋肉の緊張をほぐし、血流を促進させることで眼精疲労の軽減が期待できます。
簡単にできる目の運動方法をご紹介します。
①目を閉じてゆっくりと深呼吸してリラックスします。
②眼球を時計回りに大きく円を描くように行います。
③次は時計回りとは反対に、②と同様に大きく円を描くように回します。
②と③それぞれ3回程度ずつ丁寧に行いましょう。

【眼精疲労の予防法】

規則正しい生活を心がける
睡眠不足やストレスは心身の疲労蓄積へとつながり、やがて眼精疲労を発症しやすくなると考えられています。
規則正しい就寝時間や適度な運動を習慣にし、疲労を蓄積させない身体づくりを目指しましょう。
ブルーライトカットのメガネを使用する
ブルーライトをカットするメガネやコンタクトレンズを使用することで、ディスプレイから放出される光の反射や、ちらつきによる刺激が軽減されます。
その結果、眼精疲労の予防に効果が期待できます。

まとめ

眼精疲労はパソコン作業やスマホを見る機会が多いことから「現代病」とまで言われている症状の1つです。
目の重要な役割を担っているものとして、ピント調節や光量を調節する機能が挙げられます。
これらの機能は、頚部や頭部の筋肉との関わりが強いため、ここにアプローチしていきます。